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僕は君を連れてゆく

第15章 会いたい

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それは突然だった。


「もしもし?にの?落ち着いて聞けよ、
先生が死んだ。松本先生が、死んだ。」

もう、ずっと、遠い昔のような
だけど、俺のここ(心)にはいつも先生がいた。

先生と離れて5年がたった。

つまりそれは、俺が地元を離れて5年がたったということで。

先生との時間は1年にも、満たなかったと思う。
でも、それでも、今でも先生がいた。

5年ぶりに地元の友人で唯一、連絡先を教えた大野さんから連絡がきた。
それは、俺が忘れられないあなたの死の知らせだった。

もう、帰ることはないと思っていた地元。
もう、踏むことはないと思っていた地元。

「葬式、でるだろ?帰ってこいよ。俺が待ってるから。」

大野さんは優しい人で、クラスに馴染めるようにと
画策してくれたんだ。

結局、馴染めなかったけど。

大野さんはお葬式の日時を告げて電話をきった。

変わらないな。

って、俺もか。

先生の名前を聞いた瞬間、耳が熱くて、震えた。

忘れたくないって思っていたけれど、これ程かと
自分に笑える。

先生。

会いたい。

会いたい。

会いたい。

俺は、あなたに会いたい。

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