僕は君を連れてゆく
第20章 校長先生
あいば「翔ちゃんが校長先生なんてさ、その学校が羨ましいよね~」
にの「そうかな?」
あいば「だって、絶対に優しいよ。楽しい学校になりそうじゃん!」
にの「そうかな…」
相葉さんは知らないんだ。
翔ちゃんが本当はすごく、甘えん坊で駄々っ子なこと…
もし、翔ちゃんが校長先生になったら…
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櫻井校長「校長先生からの話は以上です。」
頭を下げて一礼し、壇上から降りる校長。
スーツ姿はビシっと決まっていて、ネクタイだって…
朝礼が終わり、職員室に戻る。
櫻井校長「あっ、二宮先生、ちょっと…」
呼び止められた。
二宮先生「わかりました。」
校長のあとに続いて校長室に入った。
ドアを閉めた途端…
櫻井校長「あぁ~ぁ、疲れたぁ~!もう、挨拶なんてやりたくないって毎回、言ってるのにっ!」
校長室にある皮張りのソファーに身を投げた校長。
そして、プンプンと文字が出てきそうな顔で愚痴を溢す。
二宮先生「毎回って、誰に言ってるんですか?」
櫻井校長「大野教頭!頭が硬くて嫌になる!あのハゲ!」
二宮先生「そんなこと言ったら…」
櫻井校長「二宮先生は、俺の味方じゃないの?」
さっきまで、500人いる生徒前で堂々と、将来設計について語っていた人と同じ人とは思えない。
二宮先生「味方です。」
校長の隣に腰を下ろしその手を握りしめる。
櫻井校長「誰の?誰の味方なの?ちゃんと言って?」
二宮先生握り返され指を絡めながら問うそのしぐさは、昨日の夜のあなたを思い出させる。
二宮先生「あなたの。翔の味方だよ。」
耳元で低く、囁くように、そう伝えた。
俯いて、頬を赤く染める。
こんなにも、可愛くなるあなたを俺は…
二宮先生「翔。こっちを見て?」
顔を上げさせる。
期待してるんだろう?
二宮先生「今夜も行っていい?」
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あいば「おーい!にの?おーーい!」
にの「はっ!やばい!トリップしてた!」
あいば「なにそれ~!!!しっかりしてよ~」
にの「悪い、悪い…」
校長先生と新米教師とかでもよかったかも…
にの「ウフフ。」
あいば「怖い!怖い!一人で笑ってる!」
にの「うるせぇな!」
今夜は俺だけの校長先生に…
《おわり》