僕は君を連れてゆく
第3章 はじめて
なんだかんだ、月日が流れ、2017年になった。
去年は最後の最後まで気が抜けなくて、ポンコツなりに頑張った。
今年もたくさんのお仕事を俺なりに全力でやっていく!
そして、20年という月日が俺達を恋人にした。
こんなにもそばにいて、こんなにも愛しくなるなんて思わなかった。
ニノちゃん、大好きだよ。
「にゃんにゃん…」
「は?何言ってんの?」
「え?俺何か言ってた?」
「猫がどうしたのよ?」
楽屋で二人きり。
スポーツ新聞を読んでいたはずなのに…
なんで、俺はこうもニノちゃんのことばかり考えちゃうんだろう?
しかも、最近はどうも、その、あの、
新聞をめくったら、水着の姉ちゃんが艶かしいポーズでこっちを見ていた。
もし、これがニノだったら…
そう、そうなんだ。
俺の頭は花が咲いてるらしく、キスを済ましたら次へ進みたくて仕方ないんだ。
そんなことばかり考えて…
「…の?」
「ニノと…」
「ねぇ?なんなの?さっきから。はっきり言ってよ。気持ち悪い。」
「あ?え?なに?聞いてなかった。ちょっと考え事してて…」
「何?次のゲストがのってんの?」
新聞を取られた!
「まて!そこは!」
「この姉ちゃん見て何考えてんのよ。まったく…」
「返せよ。たまたま開いたらここだったの!」
奪い返した新聞をぐちゃぐちゃとまとめる。
「で、家にいるの?」
「あ?なに?」
「だぁかぁらぁ!14日!家にいるのかよ?」
携帯で仕事の予定を確認したら昼過ぎには終わりそうだった。
「夕方にはいるよ?来るの?」
「行っちゃダメなのかよ?」
「ダメじゃない!待ってる!来るまで待ってる!」
アハハと笑って、またゲームに再開してる。
ニノはどう思ってるのかな?
ゲームをしてる後ろ姿。
こうやってよく眺めてたんだ。
頭の形ですぐにわかるよ。