僕は君を連れてゆく
第3章 はじめて
1日はあっという間に終わる。
たくさん、お仕事もらえるのはありがたいこと。
でも、こなしていくだけで精一杯の日もあって。
それじゃぁ、お仕事をくれた先方に申し訳ないって思うんだけど…
とりあえず、今日はニノちゃんに会えるし、元気もらって頑張らなきゃ‼
雑誌の取材を数本。今日はこれだけ。
一つロケが入ってたけど、来週へ回った。
来週はちょっと、きついけど、おかげでニノちゃんに会えるんだもん。
仕事が終わり、携帯を確認したらニノちゃんからメッセージが入っていた。
―終わったら連絡して。―
30分前だ。
―終わったよ~‼頑張ってきたよ~‼―
―ニノは何か食べた?食べたいものある?―
―俺、作るよ?買い物して帰るよ~‼―
立て続けにメッセージを送った。
すぐに既読の文字。
―じゃ行くね。―
―待ってるね!―
―気を付けて来るんだよ‼―
―迎えに行こうか?―
これにもすぐ既読がついた。
―平気。―
―じゃ、待ってるね‼大好きだよ~‼―
既読の文字。
返事ないし。
別にいつものことだし。
だいたい、こんなやりとりだし。
って、なんか、食べる?に返事ないし!
まぁいいや。
さぁて、何作ろうかな?
スーパーに寄ったらバレンタインデーの特設コーナーがあって、女性達が列を作っていた。
そうか。今日か。
俺、仕事だったけどもらえなかったな。
って、男ばっかりだったか。
あっ…これ…ニノちゃんと食べようっと。
俺も一つチョコレートをかごに入れた。