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僕は君を連れてゆく

第3章 はじめて


「Bon appétit.、召し上がれ。俺をってこと…そういうこと?」

シャワーの音がする。

耳元で話してるからきちんと、聞こえてるはず。

このドキドキは、俺のかな?ニノのかな?

「…れ。」

「ん?」

やっぱり、シャワーの音で聞こえにくい。

「もう、1回  」

ニノが振り返り俺に抱きついた。

俺のアレがニノのアレ辺りに当たってるんだけど…

ニノが片手でシャワーを止めて、俺を見た。

「俺を召し上がれ。」

少し背伸びして、唇を押し付けてきた。

召し上がれ…

身体中が熱くなってニノの唇をこじ開けた。

ニノが時々、俺を呼ぶ。

それがたまらなく、熱くて、愛しい。

もっと、もっと深くまで俺を、ニノを…

「あ…ぃばさ…んっ…」

ニノが膝から崩れ落ちそうになった。

慌てて抱え直した。

「大丈夫?ごめん。夢中で…」

「ううん。なんか、身体中熱くて…立ってらんない…
ベットでシよ?」

それから俺達は恥ずかしさもあって無言でお風呂に入った。

でてからも着るべきか迷ったけどとりあえずTシャツに短パンを着て冷蔵庫から水をだして一つコップに入れて分けて飲んだ。

「行こっか?」

手を差し出した。

頷いて、俺の手に右手を重ねた。

お互いにしっとりしてる掌が二人の体温を、気持ちを表してるようで、俺だけじゃなくてニノも緊張してんだなって思った。

ベットにニノを寝かせた。

俺はTシャツを脱いでニノに跨がった。

「好きだよ。ニノ。今日はありがとう。」

頬を撫でる。

ゆっくりと目を閉じるニノ。

顔を近づけてそのまま親指でニノの唇をなぞった。

「Bon appétit.」

小さいけどしっかり、聞こえた。

「Bon appétit.」

二人のはじめて。

俺達のはじめて。

◇fin◇

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