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僕は君を連れてゆく

第42章 MJ倶ラブ


「ん…寝ちゃった…え?」

確か…barに行ってカレーを食べて、ワインも飲んで…それで…

ここはどこ?

あの、barではないことは確か。

でも、あの、barと同じ匂いがする。

そして、目の前には白く大きな背中が。

明らかに女の背中ではないと肩甲骨のまわりの筋肉が言う。

なぜ、裸?

って、俺は?

見なくてもわかるけど、一応、確認しないと…

恐る恐る掛け布団をめくる。

「!!!!!」

やっぱり…

いったい、なんでこうなった?

頭のなかで記憶を手繰り寄せるもワインをグラスについでもらったくらいから記憶がない。

飲めるタイプじゃないのに…

ってか、誰?

目の前にいる男は、寝返りをうった。

「!!!!!」

昨日、まさに一緒にいたマスターで。

長い睫毛は伏せられているからか、さらに長く感じる。

薄く開いた唇からスッーと寝息が。

なぜ、裸?

どうして、隣に?

起きてからずっと気になっていたんだけど…

下半身の怠さ。

あの、ソコの、あそこの違和感が…

まさかっ!!!

掛け布団をどかし体を起こした。

ヤッちゃったのか…

いや、ヤられちゃったのか…も…

なにも思い出せない使えない頭で考えてもこの場を乗り切る術はでてこなくて…

帰ろ…

ベッドから出ようと思ったけど、何も身に付けてないことを思い出して、思い止まる…

そんなこんなしてたら、背中に感じる気配…

「帰るの?」

「え、いや、あの…」

怖くて振り返ることが出来ない俺。

「コーヒーでも飲んで行ってよ…翔…」

「へ?」

名前を呼ばれ、振り返る。

彼の手には俺の免許証が。

「オトコもよかったでしょ?」

気だるそうに髪をかきあげ、落ちてるバスタオルを腰に巻く。

その、どの、しぐさもかなり色っぽい。





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