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僕は君を連れてゆく

第44章 みんな、知ってた

おまけ


駄々漏れな恋は成就した。

別に報告があったわけではない。

でも、見てればわかる。

二人を包む雰囲気が一気に変わった。

「あー!また、死んだ!やめてよっ!」

「ニノが向こう行けよ!」

「やーらー!」

「やーらー!じゃねぇよっ!」

何も変わらない二人。

いつもの二人。


「甘いな…」

「なに?なに?なに食べてるの?」

「違う、違う、そうじゃなくて」

大野さんとニノに視線を移した。

「あ~、確かに…甘いね」

相葉くんも笑った。

楽屋のドアが開いた。

「おはよ」

気だるそうに松潤が楽屋に入ってきた。

「おはよ!昨日は遅かったの?」

「う~ん…ぼちぼち…」

サングラスを外したその目は少し腫れぼったい。

「リーダー!この前の、食べた?」

相葉くんがニノと大野さんの間に割って入った。

二人の肩を組み楽しそうに話す相葉くん。

「テンション高っ…よく、そこに入ってけるよね…」

確かに。

でも、それが相葉くんなのかも。

ニノが相葉くんから抜け出してコーヒーを飲みにきた。

その顔はスッキリとしてて…爽やかで…可愛い…

「えっ!?」

「なに?変な声だして」

「翔ちゃんも飲む?」

上目遣いで俺を見やるニノ。

今までだってそんなのたくさんあったのに…

何か違って見える。

「いや、いい…」

「そう?」

ズズズってコーヒーを啜ってまた、いつのソファーに戻る。

ずっと、ニノを目で追ってるとそこに松潤の顔が…

「うわっ!」

「ニノのこと変な目で見てる…」

「見てないって!」

「翔ちゃんもまさかニノがっ!!」

なわけあるかっ!!!

「さっそく、失恋だ!」

大野さんとニノが隠れてキスをしたなんて思ってない俺たち。

いつもの、楽屋。

いつもの、俺たち。





おわり






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