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僕は君を連れてゆく

第47章   OTR  from.BB

俺たちは、ある男の張り込みをしていたんだ。

最初は女性からの一本の通報だった。

それは、男が道端で下半身を露出してる、というもの。

それだけなら公然わいせつ罪だが、その後、
抱きつかれた、変な液体を投げつけられた、などその行為がエスカレートしていった。

俺とニノはその男が出没するエリアの聞き込みを開始した。

その周辺にある学校や保育園へ登下校中など十分、注意するように通知をだして警備の必要性なども考えていたんだ。

ある程度、時間帯や狙われやすい人間などを絞ってきた段階で意外なことがわかった。

犯人とおぼしきやつは、 50代前後の白髪頭の男で眼鏡をかけている。
ワイシャツの上からトレンチコートを羽織り、下半身は靴下と革靴だけ。
いわゆる、露出狂という変態だ。
抱きつかれた被害者はほぼ男子学生で、変な液体をかけられたという被害者は20代男性会社員だった。
女性の被害者は下半身を露出してるのを目撃した人たちが多く、直接、触られるのは男性ばかりだった。

「ホモか?」

「ホモなのかなぁ。かなり悪質だよ。きっと、口に出せないで苦しんでる人がたくさんいるよ」

こんなことをされたら心に傷をおってしまう。
学生ならこれから素晴らしい恋をする可能性が十分にあるのに。

「若い子ばっかり…ロリコンかよ…」

「でも、20代とかもいるし…」

「でも、とにかく男性を狙っているのは確かなようだ」

一課長はそう言って、事件の概要が書かれたホワイトボードを見つめる。

「周辺の防犯カメラの映像を解析してもらいましょう」

「そうだな、あと聞き込みをもう少しやろう。この辺の立地に詳しいやつだろうからな。案外、近くに住んでるのかも」

そうしたら、ニノがとんでもないことを言い出した。

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