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僕は君を連れてゆく

第52章 偏愛

短パンを着せるのは足がよく見えるように。

なるべく智の後ろに立って、歩く後ろ姿を見る。

踵から足をついて。

その時爪先があがることでヒラメ筋が張る。

そこがたまらないんだ。

ずっと、見ていたいけど、見てると触りたくて。

このソファーの背もたれによりかかり智の足の間に入るのは智の足を堪能する絶好のポジションなんだ。

「触っていい?」

そう聞くと、やだ、とか、ダメとか言うんだ。

でも、手のひらでふくらはぎを包むと吐息を漏らす。

そして、俺に身を委ねてくるんだ。

温かくて張りのあるこの筋肉が。

筋張ったアキレス腱が。

こんなに魅力的だなんて。

智の足に出会うまでは知らなかったこの気持ち。

「潤…」

「ん?」

智の好きなもの作り、帰りを待つ。

智が美味しそうにご飯を食べるのを眺める。

足を堪能していると智の熱の思った声を聞く。

「シテ…」

お願いされれば俺だって男だ。

体を繋げる。

離すまいと俺の腰に足を巻き付け快感を得ようのするときの顔なんて最高だ。

そして、イッたときにそる喉とピンと張る足先。

その時のヒラメ筋は最高だ。

それを思い出すだけで俺はもう1Rいける。

「智…好きだ」

ヒラメ筋にキスをする。

「…」

智を見やると頬を赤らめ気だるそうに俺から視線をズラした。

そうだ、そうだ。

ここにも。

「最高だよ、智」

唇を塞ぐ。

「んっ…」



智のヒラメ筋は最高なんだ。








〈偏愛、潤と智の場合、おわり〉

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