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僕は君を連れてゆく

第7章 桜の色


「ニノさ、このまま松本くんのとこに住むの?」

「えっ?」

思いがけない言葉だった。

「ごめん。」

「え…」

「いや、違うんだ。」

俺を真っ直ぐに見て…

「一緒に暮らさないか…ニノ。」

「えっ?」

思いがけない言葉だった。

嬉しくて、でも、すぐに「うん!」って返事するのってどうなんだ?とか、女子みたいなこと考えてて…

「急だよな…帰るか…」

すごく、嬉しいのに…
飛び上がりたいくらい嬉しいのに…

「ニノ。帰るぞ‼」

もう一度、差し出された右手。

その手を握った。

「家でいい?」

「うん。」

大野さんの家についたら、言うんだ。

嬉しいって。

一緒に暮らしたいって。

何度か自宅にあがらせてもらってるけど…

初めて来たときみたいにすっごく、緊張する…

「あの…大野さん…」

「今日さ…泊まってく?」

「えっ?」

「桜見てたらなんか、急にあんなこと言っちゃって…でも、いつか…そう思ってる。」

「うん。」

大野さん…

俺…もう!

「大野さんっ!俺!嬉しかったよ。すごく。本当に嬉しかった!」

声が震えて…

体も震えて…

「ニノと…朝まで一緒にいたいんだ。」

「朝まで…」

それからは、やっぱり…無言で…

順番にお風呂に入って…

俺はとにかく、隅々までキレイにした。

もちろん、ソコも…


とにかく、緊張して…

でも、大野さんは優しくて…

怖かったし、緊張したけど…

身体中、痛くて…

特に、ソコは…言葉で表せないような痛みだった…

でも、幸せの痛みなんだ…なんて…


目が覚めたら、大野さんが隣に寝ていた。

あぁ、やっぱり幸せだ…

大野さんの髪に触れた。

「…もう1回…」

寝てると思ってた大野さんが目をつむったまま話し出した。

起きてるし!

「昨日、物足りなかった?」

マウントポジションをとられた俺。

俺だって…

ひっくり返してキスをしてやった…

まん丸お目目の大野さん

「足らないよ…全然…」


いつか、もう一度、聞かせて。

その時は迷わず返事をするから。

―fin―


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