僕は君を連れてゆく
第53章 ミモザイエロー
Kazunari
「二宮さんってゲイですか?」
「はぁ?え?なんで?」
コピー用紙が足りなくて総務課に取りに1階に降りた。
たまたま暇そうにネイルを弄ってる社員のみきちゃんを見つけたから声をかけた。
いつもたくさん積んであるのに、その日、俺が持っていきたかったB5用紙はなくて。
端の倉庫まで取りに行くことになった。
台車を引きながら、他愛のない話をしてて。
倉庫に入り、ついでだからと、確認してきたA3用紙も積んで、B5用紙をその上に積んで。
そうしたら、ぶっ飛んだ質問を受けた。
「なんとなく?」
みきちゃんは首をかしげながら言う。
「んなわけ…」
待てよ…
否定するということは雅紀のことも否定することになる。
でも、ゲイではない。
「ちょっと、二宮さーん、押してくださいよ」
「あ~、ハイハイ」
質問に答えずに曖昧にしていたら、みきちゃんの興味はもう他にうつっていて。
総務課に戻ったら、みきちゃんはネイルが剥がれたと他の席に座る女子社員のところへ行ってしまって。
「え?これ、俺が片すの?」
カウンターの下に片付けていたら、
「二宮さん、彼女いるんじゃないですか~」
上からまた声がした。
「へ?」
見上げたらみきちゃんとあみちゃんが一緒になって俺の向かいに立っていた。
「結構長いですよね?今の人と?」
「そうなんですか?同棲ってどうなんですか?」
「え、まぁ、長いっていうか…」
「みきだって同棲話出てるんでしょ?」
俺の返事なんてそっちのけで彼氏の話を花を咲かせはじめて。
俺になんて興味ないじゃん…
雅紀はこういうとき、なんて答えるんだろう。
コピー用紙の束を抱えながらエレベーターを待つ。
「ゲイだよ」って言うのかな…
男と付き合ってるとゲイなの?
俺たちってなんなの?
雅紀と付き合って三年がたっていた。
「二宮さんってゲイですか?」
「はぁ?え?なんで?」
コピー用紙が足りなくて総務課に取りに1階に降りた。
たまたま暇そうにネイルを弄ってる社員のみきちゃんを見つけたから声をかけた。
いつもたくさん積んであるのに、その日、俺が持っていきたかったB5用紙はなくて。
端の倉庫まで取りに行くことになった。
台車を引きながら、他愛のない話をしてて。
倉庫に入り、ついでだからと、確認してきたA3用紙も積んで、B5用紙をその上に積んで。
そうしたら、ぶっ飛んだ質問を受けた。
「なんとなく?」
みきちゃんは首をかしげながら言う。
「んなわけ…」
待てよ…
否定するということは雅紀のことも否定することになる。
でも、ゲイではない。
「ちょっと、二宮さーん、押してくださいよ」
「あ~、ハイハイ」
質問に答えずに曖昧にしていたら、みきちゃんの興味はもう他にうつっていて。
総務課に戻ったら、みきちゃんはネイルが剥がれたと他の席に座る女子社員のところへ行ってしまって。
「え?これ、俺が片すの?」
カウンターの下に片付けていたら、
「二宮さん、彼女いるんじゃないですか~」
上からまた声がした。
「へ?」
見上げたらみきちゃんとあみちゃんが一緒になって俺の向かいに立っていた。
「結構長いですよね?今の人と?」
「そうなんですか?同棲ってどうなんですか?」
「え、まぁ、長いっていうか…」
「みきだって同棲話出てるんでしょ?」
俺の返事なんてそっちのけで彼氏の話を花を咲かせはじめて。
俺になんて興味ないじゃん…
雅紀はこういうとき、なんて答えるんだろう。
コピー用紙の束を抱えながらエレベーターを待つ。
「ゲイだよ」って言うのかな…
男と付き合ってるとゲイなの?
俺たちってなんなの?
雅紀と付き合って三年がたっていた。