僕は君を連れてゆく
第8章 上下問題
―潤side―
「ねぇ、潤くんさ…どこまで行ったの?」
「あぁん?」
今、忙しいんだよっ!俺はっ!
Google先生に今日もお世話になっている。
「怖いなぁ~。何見てんの?」
昼飯を食いに会社のそばの豚カツ屋に入った俺達。
「いや。ちょっと…」
「部長、スタミナありそうだよね。いいなぁ~♡」
「はぁ?」
部長と付き合うようになってまぁ、それは、
それは、幸せで。
「このあと、部長と外回りでしょ?」
そうなんだ。
このあと、部長と外回りなんだ。
他社の新商品のチェックに家電量販店を回るんだ。
「いいなぁ~。ある意味デートでしょ?」
「はぁ?」
「なんで、そんな怖い顔するのよ?」
仕事だよ‼仕事‼
俺だって最初の頃はデート気分かな?
なんて浮かれて外回りに付き合ってたんだけど…
「んなんじゃねぇよ…」
公私混同しないところが好きなんだけど
ここまでっていう位で…
「ねぇ、どうだった?部長?」
箸でご飯をつまんで口に運んでいる。
1回量を増やせば箸の往復の回数も減るのに…
「ねぇってば!」
「なんだっけ?」
さっきから、何を聞いてるんだ?
「だ・か・ら!部長!」
「部長がなんだよ?最近、どこも行ってないけど?」
休みが合わないんだよな。
最近は昼飯も一緒に出来ない…
「潤くんさ…わざと?」
「ん?」
早く食わないと昼休憩、終わっちまうぞ。