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僕は君を連れてゆく

第55章 パパラッチ

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「でわ、大野さんは芸能活動を再開するということなんですね?」


この日、ジャニーズ事務所からファックスが届いた。


“弊社 所属タレント 大野智について”と。


「この数年間、芸能活動から離れて、本当に好きなことだけをさせてもらいました。車の免許もとりました。船で見たことない景色を見ました。絵も少しだけ、書きました」


「少し?」


そこには、櫻井翔の姿が。


「うん、絵に描きたいって思うのは思うんだけど…描かなかった、素敵な景色なんだけどね」


2人の掛け合いは今までと、なにも変わらない。

この距離にファンは彼らの絆を再確認出来るはずだ。

「でわ、嵐の活動再開ということでよろしいですか?」


この質問をしたのは、私だ。

隣にいる編集長は泣いてるのか、鼻をかんでばかり。


「それは、違います」

会場内がどよめいた。


「違う、というのは?」

「嵐として、活動を再開するのはまだ先です」


櫻井翔は真っ直ぐ前を見て、話す。


「今まで変わらない僕らをまだ、世の中が覚えている限り、僕らは活動出来ない。新しい、僕らをお見せするのにはまだ、時間が足りない」


「しかし、大野さんが戻ってくれば歌手活動は五人で出来るのでは?」


「ここ何年も踊ってないんだよ?ギックリやっちゃう」


「もう、そういう歳だからね」


「でわ、大野さんのこれからのスケジュールは?」


「僕は、後輩への振り付けなどの仕事から始めていく予定です、CMなどいくつかお話を頂いてます」

「櫻井さんは?」

「私は、大学に行こうと思います。まだまだ、勉強が足りない、そう感じて…受験する学校など選んでいるところですので、ここではどこと言えないのが申し訳ないんですが…相葉も二宮も松本も今までと変わらない活動をしていきます」


「大学ですか…あの、東京都知事選に立候補するというニュースが流れてますが」

「どこからそんなニュースになったのか…」

「それは、ダメです、って僕が言いました」

と、大野智が言って。
会場内は大爆笑になった。








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