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僕は君を連れてゆく

第55章 パパラッチ

現れたのは、嵐のリーダー 大野智だった。


ふにゃんと微笑んだその顔。


「黒っ!!!」


「ごめん、遅くなって」


「いつ、戻ってきたの?」


私なんか、まるでいないかのような二人の会話。


かつて、山夫婦ってチマタで言われるくらい、二人の間に流れてた空気は特別だった…


ってか、この人もサンダルなの?

サングラス焼けしてる顔は本当に黒くて。

腕も足も。黒い!しげるかよ!


二人は会えなかった時間なんて嘘かのようにしゃべりだした。


「へぇ…、行ってみたいなぁ」


「おすすめだよ、空気が日本とは違うんだよね」


「盛り上がってるところ、大変、申し訳ないんですけど…櫻井さん、次の都知事選に立候補するって本当ですか?」


「・・・」


無言


無言の空気が怖い…


「結論から言うと、しません 」


「えっ!?自民党の推薦?!」


「言ってない、言ってない」


「ビックリしたぁ」


大野智はケラケラと笑った。


「こんなに、テレビ写るの好きな翔ちゃんが都知事?ないない!」


「いや、でも、すごくニュースになってますよね?」


「それに、翔ちゃんが都知事になったら都民は忙しいよ~夏休みはいらない!とか言い出しそう」



「いやいや、夏休みにしか体験出来ないこともあるからね」



「じゃ、じゃぁ、嵐の活動再開は…いつになりますか?待ってる人、たくさんいると思うんですけど…」


二人は見つめあってから、私を見た。

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