僕は君を連れてゆく
第59章 巡る季節のなかで
「じゃぁ、また」
「今度、店行くよ」
「うん、来てよ」
こんな風にまた話が、できるようになるなんて。
早く、早く、雅紀さんに会いたい。
♪~♪♪~♪♪~♪♪
気持ちがよくて、スキップなんてしちゃって。
母さんが持って帰りなと渡してくれたのは
春巻き。
海老とアスパラが巻いてあってケチャップをつけて食べる。
小さい頃、よく母さんが作ってくれて。
好きな食べ物、と聞かれて答えていた料理だった。
雅紀さんの作る、雅紀さんと作る料理が、
この世で一番、美味しいと思っていたけれど、
まだ、美味しい食べ物はたくさんあった。
「早く、雅紀さんに食べさせてあげたいなぁ」
「何を?」
「え?」
「おかえり」
「雅紀っ…さぁん!!!」
迎えに来てくれて雅紀さんに抱きついた。
「頑張ったね…」
「うぅぅ…」
雅紀さん、俺ね…俺ね…
道端で抱き合う成人男性二人。
やっぱり、ここではさすがの俺も恥ずかしくなってきて、雅紀さんからそっと離れた。
泣く俺の涙を拭ってくれる優しい指。
「帰ろうか」
「うん」
歩き出す雅紀さんに続こうとしたら、伸ばされた手。
それを迷わず握る。
この手を離さないために今日、家族に会ってきたんだ。
「お腹すいたね」
「これ…もらってきたんだけど…食べる?」
「え!なになに?」
家で会ったことを一から喋る俺に、一つずつ、相槌をくれる。
それは家に着いてからも変わらなくて。
「へぇ~、和のお母さんの手料理か…嬉しいなぁ」
「なんで?」
「こうやって、互いの家の味を知るってなんか、関係が深まっていくって気がする」
「…そう」
「和はもう、ウチの味は覚えたでしょ?だから、俺も教えてもらわなきゃ」
「え?教えてもらうって?」
「今度、挨拶に行くよ」
「挨拶」
「うん、これかも和を大切にしますって」
「それって…」
「はい、和」
「今度、店行くよ」
「うん、来てよ」
こんな風にまた話が、できるようになるなんて。
早く、早く、雅紀さんに会いたい。
♪~♪♪~♪♪~♪♪
気持ちがよくて、スキップなんてしちゃって。
母さんが持って帰りなと渡してくれたのは
春巻き。
海老とアスパラが巻いてあってケチャップをつけて食べる。
小さい頃、よく母さんが作ってくれて。
好きな食べ物、と聞かれて答えていた料理だった。
雅紀さんの作る、雅紀さんと作る料理が、
この世で一番、美味しいと思っていたけれど、
まだ、美味しい食べ物はたくさんあった。
「早く、雅紀さんに食べさせてあげたいなぁ」
「何を?」
「え?」
「おかえり」
「雅紀っ…さぁん!!!」
迎えに来てくれて雅紀さんに抱きついた。
「頑張ったね…」
「うぅぅ…」
雅紀さん、俺ね…俺ね…
道端で抱き合う成人男性二人。
やっぱり、ここではさすがの俺も恥ずかしくなってきて、雅紀さんからそっと離れた。
泣く俺の涙を拭ってくれる優しい指。
「帰ろうか」
「うん」
歩き出す雅紀さんに続こうとしたら、伸ばされた手。
それを迷わず握る。
この手を離さないために今日、家族に会ってきたんだ。
「お腹すいたね」
「これ…もらってきたんだけど…食べる?」
「え!なになに?」
家で会ったことを一から喋る俺に、一つずつ、相槌をくれる。
それは家に着いてからも変わらなくて。
「へぇ~、和のお母さんの手料理か…嬉しいなぁ」
「なんで?」
「こうやって、互いの家の味を知るってなんか、関係が深まっていくって気がする」
「…そう」
「和はもう、ウチの味は覚えたでしょ?だから、俺も教えてもらわなきゃ」
「え?教えてもらうって?」
「今度、挨拶に行くよ」
「挨拶」
「うん、これかも和を大切にしますって」
「それって…」
「はい、和」