
僕は君を連れてゆく
第60章 名前のない僕ら―隠した恋心編―
今日から母さんは職員旅行に行く。
父さんはそれをいいことに呑みに行くらしい。
絶対にオネエチャンのいる店に行くな。
ってことは潤と二人きりの夜だ。
でも、幸い塾がある。
残り勉でもして帰れば、顔を見なくてすむだろう。
講義中、携帯が震えた。
【今日も帰ってこないの?】
潤からだ。
勉強してる、ということで潤と顔を合わせないように帰ってるから、こんなメッセージがほとんど毎日くる。
返事だってろくにしてないのに。
マメなんだよ。
俺だけ、なんて、思ってない。
元々、モテるんだ。
だから、俺とのことは…
携帯をしまって塾に入った。
講義の最中も考えるのは弟のこと。
一日の中で考えることがいったりきたりする。
俺だけを見てくれって女みたいなことを考えたり。
兄弟じゃなかったら、俺が女だったら、
潤が女だったら…
兄弟だから離れる必要なんてない、仲のいい兄弟で過ごしていけばいい…
言葉にしてしまいそうで…
言葉に出来たら、どんなに楽か。
いろんなことが、頭のなかで。
考えたくない。
もう、考えたくない。
何もしたくない。
ただ、一言、「好きだ」と言いたい。
それだけ。
父さんはそれをいいことに呑みに行くらしい。
絶対にオネエチャンのいる店に行くな。
ってことは潤と二人きりの夜だ。
でも、幸い塾がある。
残り勉でもして帰れば、顔を見なくてすむだろう。
講義中、携帯が震えた。
【今日も帰ってこないの?】
潤からだ。
勉強してる、ということで潤と顔を合わせないように帰ってるから、こんなメッセージがほとんど毎日くる。
返事だってろくにしてないのに。
マメなんだよ。
俺だけ、なんて、思ってない。
元々、モテるんだ。
だから、俺とのことは…
携帯をしまって塾に入った。
講義の最中も考えるのは弟のこと。
一日の中で考えることがいったりきたりする。
俺だけを見てくれって女みたいなことを考えたり。
兄弟じゃなかったら、俺が女だったら、
潤が女だったら…
兄弟だから離れる必要なんてない、仲のいい兄弟で過ごしていけばいい…
言葉にしてしまいそうで…
言葉に出来たら、どんなに楽か。
いろんなことが、頭のなかで。
考えたくない。
もう、考えたくない。
何もしたくない。
ただ、一言、「好きだ」と言いたい。
それだけ。
