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僕は君を連れてゆく

第73章 胸騒ぎの夜

あれから、2年がたった。

「智さん、起きて!起きて!」

俺と契約を結んだのは和也という男。
身寄りもなくあの時もお金のために体を売ろうとしていたがいざとなり怖くなった、らしい。

「んだよ、もう少し寝かせろよ」

「もう…お買い物行くって言ったじゃん…」

俺より二つ年下で、近くのスーパーで働いている。

俺は…こいつを養うためにきちんと就職をした。

「おい!」

ビクリと肩を震わせて俺から目線をそらす。

「こっち来いよ」

「やです!ちゃんと起きてください!」

「いいからっ」

腕を引っ張り、もう一度布団の中に引き込んだ。

「体がしんどいですか?飲みますか?」

と、シャツの首もとを引っ張り首筋をさらした。

相変わらず、真っ白で綺麗だ。

「いや、白いの飲みたい…」

「え?!」

手のひらを俺の中心に当てる。

「え?なんで?朝なのに!」

「朝だから、だろ!」

そのまま、覆い被さり唇をふさぐ。

「あ、んっ」

体のラインをなぞりながらシャツをまくりあげる。

赤い突起を弾けばすぐに甘い声をだす。

「ちょっと、ね!もう!!!」

ドンっと体を押されベットから転げ落ちた。

「朝からなに!白いのって…スケベ親父!!」

プリプリ怒るその顔すら愛おしい。
乱れたシャツと髪を直しながら部屋から出ていってしまった。

追いかけるように部屋から出るとカーテンをしたまま電気がついていた。
だから、俺がカーテンを開けた。
太陽の光が筋となって部屋に入り込む。

それに引き寄せられるように和也が隣に並んだ。
肩の辺りに光が辺り、白い首筋を照らしている。

「眩しいでしょ?」

「朝だからな」

そう言うと微笑んだ。

ドクンと体の血液が唸る。
この笑顔が好きなんだ。
和也の好きなものを同じように好きになりたい。

まさか、吸血鬼の俺がそんなことを思うなんて。

「和也」

首筋に残る噛み痕に口づけた。

くすぐったそうにまた、和也が笑った。




end.

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