僕は君を連れてゆく
第9章 怪盗♡サトコ
俺の中で翔ちゃんのが溢れている。
「ドクドクしてる…」
そう言うと翔ちゃんは照れてるような、嬉しいような顔をした。
そして、そのドクドクが収まったら俺から出ていこうとするから、慌てて脚を翔ちゃんの身体に巻き付けた。
「まだ…もう少し…」
また、同じような顔をした翔ちゃん。
俺の大好きな翔ちゃん。
「智くん、ありがとう。」
脱ぎ捨てた翔ちゃんのシャツで俺の汗を
拭ってくれる。
「好きだよ…」
唇が重なった。
すぐにそれは離れたけど、さっき感じた強い快感ではなくて、唇から頭へ、胸へ、腕へ全身へゆっくりと広がっていく快感だった。
「俺も好き…」
脚の力を抜いた。
翔ちゃんが俺の中から出ていった。
「なんか…まだ…」
おへそのした辺りを触った。
「入ってるみたい?」
ニヤリと笑って聞いてくる。
この顔も好き。
女の子に、サトコになって翔ちゃんの全てを
奪ってやろうと思った。
色んな翔ちゃんを見たくて。
翔ちゃんを独り占めしたくて。
少し、回りくどいやり方だったけど、翔ちゃんは
俺の中にたくさんの、好きを溢れさせてくれた。
行為の最中に俺に注がれる視線、
俺に触れる指はとても優しくて
翔ちゃんが触れる全ては俺に激しい快感をもたらした。
行為が終わってからもその優しさは変わらなくて
。
好きがたくさん、伝わってきた。
幸せだ。