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喫茶くろねこ

第17章 中井さん、どうする?

「中井さん、酔ってますよね?」

よりかかってくる中井さんにもう一度同じ質問をぶつける。

「酔ってはいないわよ?ただ、ちょっとね…ちょっと…なんか、寂しいなぁ、と思って。下地君、ちょっとだけ散歩に付き合ってくれない?」

「散歩、ですか?」

「とっておきの場所あるの」

そういうと中井さんは店を出て歩き出した。慌てて僕も後を追う。

「マスター!お店の鍵かけといてください!マスター?」

隅の席で丸くなって寝ていたマスターがしっぽをぱたんと叩いて反応する。…聞こえたかな? 

「マスター、僕ら帰りますね!!」

店を出ると、中井さんが僕を待っていた。追い付くと、何も言わずに歩き始めたので、その少し後ろをついて歩く。

「なんかごめんね?無理やり付き合わせるみたいになっちゃって」

「いえ、大丈夫ですよ…」

10分程歩くと、小さな公園についた。

公園に遊具らしい遊具はほとんどなく、かわりに変わった形のベンチと小さな池があり、あとは大きな木が生えていた。

木の傍へ行くと、猫、が…1,2,3…10匹以上はいた。ベンチの上や下、木の周りなど、思い思いの場所でくつろいでいる。

「猫集会の場所なの、ここ」

それだけ言うと、猫達の集まっている場所近くのベンチに座る中井さん。僕もすぐ隣に座る。この位置からだとほんとに猫がよく見える。

猫、猫、猫、猫、猫…。


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