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喫茶くろねこ

第17章 中井さん、どうする?

「元気でね。またいつでも遊びにおいで?」
…これは、山路さん

「俺、キッチン業務ばっかりでよ。猫のこと、お前さんに任せっきりですまなかったな」
…佐々木さん。

「コレ、センベツデース」
…大量の手作り焼菓子を渡すニコルス。

車の後部座席にペットシーツを敷き詰めて、ケージにいれた猫を乗せる。

「では、今までお世話になりました」

―――
保護ネコ達のいなくなった『喫茶くろねこ』
残ったのは、マスターと、虎太郎とレオン。そして、山路さんちの飼い猫2匹。

保護猫がいなくなると猫部屋での保護ネコの世話がメインだった僕の仕事にも変化が起きる。というか、以前はあまり客の入っていなかった喫茶くろねこが、レオンの集客活動によって徐々に客足が伸び、今は『猫カフェ』としてそこそこ繁盛していて、ウェイターとしての仕事がだんだん忙しくなってきていた。これでもし保護ネコの世話まであったら間違いなく回っていない。

『猫じゃなくて人間のアルバイト、増やすかなぁ…』
「いや、いっそのことお客にセルフサービスしてもらうのはどうだろう?」

マスターの呟きに、佐々木さんが提案をする。セルフ、けっこういいかもしれない。

「今度、他の猫カフェに、視察を兼ねて遊びに行ってみませんか?何かヒントがあるかもしれませんよ?」

『猫カフェに、よその猫は入れんだろう…』

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