喫茶くろねこ
第17章 中井さん、どうする?
「中井さんがいなくなったら寂しいです。地元ってどこなんですか?地元に帰ってどうするんですか?」
「わかんないけど。派遣の終了で収入もなくなるし、とりあえず一度帰って立て直す」
「帰らなくてもこのまま次の仕事探せばいいじゃないですか!なんなら喫茶くろねこでの仕事を本職にしちゃえばいいじゃないですか!」
「うーん…。親がね、地元で見合いの話を用意してるみたいなのよ」
「受けるんですか?」
「まぁ、見合いの話は多分受けないと思うけど、私、一人娘だからね。ずっと地元から離れてると、親も寂しいんでしょ。一度地元に帰って親孝行ぐらいはしてこようかな、と」
「また、こっちに戻ってきますか?」
「下地君が迎えに来てくれるなら、考えてもいいわ」
―――
それから1週間、中井さんはほぼ毎日、喫茶くろねこに来ていた。保護ネコ達に里親を見つけたり、別の動物保護団体に引き継いだり、と、とても忙しそうにしていた。
そして、これから地元に帰る、という最後の日。
「この子は、私が連れて帰って、実家で看取ります」
少しボけてきているのか(猫でもボケるのかな?)トイレで用が足せなくなり、お漏らしをしてしまうのでペット用のオムツを履かせている老猫を抱いて、中井さんが挨拶をした。
「わかんないけど。派遣の終了で収入もなくなるし、とりあえず一度帰って立て直す」
「帰らなくてもこのまま次の仕事探せばいいじゃないですか!なんなら喫茶くろねこでの仕事を本職にしちゃえばいいじゃないですか!」
「うーん…。親がね、地元で見合いの話を用意してるみたいなのよ」
「受けるんですか?」
「まぁ、見合いの話は多分受けないと思うけど、私、一人娘だからね。ずっと地元から離れてると、親も寂しいんでしょ。一度地元に帰って親孝行ぐらいはしてこようかな、と」
「また、こっちに戻ってきますか?」
「下地君が迎えに来てくれるなら、考えてもいいわ」
―――
それから1週間、中井さんはほぼ毎日、喫茶くろねこに来ていた。保護ネコ達に里親を見つけたり、別の動物保護団体に引き継いだり、と、とても忙しそうにしていた。
そして、これから地元に帰る、という最後の日。
「この子は、私が連れて帰って、実家で看取ります」
少しボけてきているのか(猫でもボケるのかな?)トイレで用が足せなくなり、お漏らしをしてしまうのでペット用のオムツを履かせている老猫を抱いて、中井さんが挨拶をした。