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喫茶くろねこ

第20章 再会。

美佳さんは、フリーの猫カメラマンをしてるって言ってたけど、今は保護ネコの里親探しみたいなことはやってないんだろうか?

気になったので聞いてみることにした。

中心になって活動をしているわけではないけど、保護ネコの里親探しをしている団体の手伝いとして、ホームページに載せる紹介写真をとったり、団体で発行する機関誌の写真撮影を担当したりしている、とのことだった。

やっぱり、どこまでいっても「猫」中心な美佳さんだった。

僕以上の猫好きなのは間違いない。

僕は…僕は…

「虎太郎~」
「なんにゃ」
「僕、猫と関わる仕事がしたい」
「もうしてるにゃ」
「いや、アルバイト的にじゃなくてね…卒業後の話」
「?」

猫には、むずかしい話だったかな。

「僕、ユータの猫愛は感じるにゃ」

猫って、シンプルでいいな。

「ありがとう」

虎太郎を抱き上げて、背中をそっと撫でる。

「…保護猫カフェをやりたい」

一人で、出来るだろうか?何からすればいいのだろうか?

カフェを……やる?
僕が、経営者? 
就職もせずに自分で店を?
いや、無理だ。失敗したらどうするんだ…。

「でも、やりたい…」

お金は、充分ではないかもしれないが、そこそこある。

この4年間、家賃・光熱費無料、食費無料の住み込みアルバイトをしていたおかげでそれなりに貯まった。

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