無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

そんな話をしているところに、山路さんが戻ってきた。
主婦目線とオーナー目線の両方で、味だけでなく、栄養面や他のメニューとの食べ合わせ、材料費と値段設定など細かいところを話しながら食べる。

一通り食べ終わると、

「あー。美味しかった。旦那の夕飯、作るのめんどうだわね。ねぇ、ニコルス？余ったスープ、鍋ごと貰って帰ってもいい？」

主婦としての山路さんが顔を出した。

「そろそろ、私も帰らなくっちゃ。本の在庫、とりあえず５冊だけ置いていくわ。売れたらまた補充に来ます」

中井さんもフリーの猫カメラマンとしての営業を忘れていない。

主婦をしながら、猫カフェのオーナーでもある山路さん。

フリーの猫カメラマンとして、本を出したり、個展を開いたりしている中井さん。

やっぱり猫と関わる仕事っていいなぁ…。
猫専門のペットショップとかないかなぁ。なかなか猫だけって無いよなぁ。…というか、ペットショップとかブリーダーで血統書付きの猫どうこうよりも行き場のない猫たちを助けたい、一匹でも殺処分猫を減らしたい。保護ネコの里親探しをするような仕事とかがいいかなぁ。

帰っていく二人を見送ったあと、キッチンの片づけをしながらそんなことを考えた。

猫と関わりたい。猫に癒されたい。猫を助けたい。