テキストサイズ

喫茶くろねこ

第20章 再会。

金曜日の放課後、母さんに電話をいれた。

「今から実家に帰るから」
「はいはい。何時頃につく?」
「なんか軽いね。理由とか聞かないの?」
「子どもが自分の家に帰るのに理由とかいらなくない?」
「いや、まぁ、そうだけど…」
「結婚して独立した息子が嫁さんも連れて訪ねてくるならこっちもそれなりに準備とかあるけど、一人暮らししてるだけの学生の息子なんだからさ」
「兄さん、もしかして結婚したの?」
「はっ??まだよ。てか、結婚してたら弟のアンタが知らないわけないでしょ。結婚式ぐらい招待するわよ」
「そう言われれば、そうだね…」
「結婚しそうな相手はいるみたいだけどねー。うふふ」

…なんか話がそれた。

「とにかく帰るから」
「駅まで迎えが欲しいの?」
「いや、自分で帰るよ」
「了解」

大学の長期休暇とかゴールデンウィーク以外の、ただの土日休みで帰るの初めてだから、もうちょっと驚くとか、理由を聞いてくるとかあるかと思ったけど、意外とあっさりしてたな。

……まぁいいか。

あ、兄貴が家にいるかどうか聞くの忘れた。まぁ、土日なら仕事休みのはずだし、会う時間ぐらいとれるか。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ