喫茶くろねこ
第5章 下地家
「…ただい…まー」
「あら、佑太。お帰り。いい部屋、見つかった?」
僕が玄関を開けたそのタイミングで、ちょうどリビングのドアを開けて廊下に出てきた母が、出迎えてくれた。
「あ、うん。一応、部屋は見つかったよ」
「そう。良かったわね」
僕の返事を背中で聞きながら、そのままトイレへと消えた母を見送り、リビングへ入る。
コタツに入り、テレビのリモコンを探す。
「えーと…」
コタツのテーブルの上には…ない。コタツの周りに落ちて…ない。テレビ台の上にも…ない。
と、そこへトイレへ行っていた母が戻ってきた。
「母さん、テレビのリモコン知ら…うぉっ!!」
知らないか、と聞こうとした僕の言葉が最後まで言い終わらないうちに母がエプロンのポケットに手を突っ込み、リモコンを取り出すと同時に僕の鼻先に突き出した。
…なんでリモコン持ってっちゃうかな~。
「ごめんごめん。エプロンに入れたまま忘れてたのよ」
…忘れてたわりには聞くと同時にすぐ出てきたな…。
「何見るの?」
「いや、とりあえず番組表チェックして何か面白そうなのがあったら…」
「別に何見てもいいけど、9時になったらいつも観てるドラマが始まるから、チャンネル譲ってね」
9時って…あと5分しかないじゃないですか。天気予報ぐらいしか見れないな。僕はテレビを諦めて、猫と遊ぶことにした。
「あら、佑太。お帰り。いい部屋、見つかった?」
僕が玄関を開けたそのタイミングで、ちょうどリビングのドアを開けて廊下に出てきた母が、出迎えてくれた。
「あ、うん。一応、部屋は見つかったよ」
「そう。良かったわね」
僕の返事を背中で聞きながら、そのままトイレへと消えた母を見送り、リビングへ入る。
コタツに入り、テレビのリモコンを探す。
「えーと…」
コタツのテーブルの上には…ない。コタツの周りに落ちて…ない。テレビ台の上にも…ない。
と、そこへトイレへ行っていた母が戻ってきた。
「母さん、テレビのリモコン知ら…うぉっ!!」
知らないか、と聞こうとした僕の言葉が最後まで言い終わらないうちに母がエプロンのポケットに手を突っ込み、リモコンを取り出すと同時に僕の鼻先に突き出した。
…なんでリモコン持ってっちゃうかな~。
「ごめんごめん。エプロンに入れたまま忘れてたのよ」
…忘れてたわりには聞くと同時にすぐ出てきたな…。
「何見るの?」
「いや、とりあえず番組表チェックして何か面白そうなのがあったら…」
「別に何見てもいいけど、9時になったらいつも観てるドラマが始まるから、チャンネル譲ってね」
9時って…あと5分しかないじゃないですか。天気予報ぐらいしか見れないな。僕はテレビを諦めて、猫と遊ぶことにした。