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喫茶くろねこ

第8章 先代マスター、ヒロさん

『ほう…。で、お前は?』

え?僕?僕…は…共学でしたし、塾にも通ってたし、クラスの半分ぐらいは女子でしたけど…

『けど…?』

けど、まぁ…周りに女子はいたけど、彼女とかは出来なかったですけど…でも、きっとこれからっすよ。

『猫相手にそんなこと弁解されてもな~。まぁ、しっかりな~』

…からかったんですか?

『お前をからかうと、面白いからな。楽しかったぞ』

…せ、先代のマスターが悲しみますよ?

『なんで、ヒロさんが悲しむんだ』

…可愛かった自分の飼い猫が、こんなイジワルな性格になって…

『猫ってのはな、もともと気分屋で気まぐれなんだ。こんなもんだよ。忠実さがウリの犬とは違うよ。犬と言えば、あれだな、お前は、ちょっと…性格が犬っぽい気がするナ。なんとなくだけど…』

僕は人間っすよ。

『見りゃ分かるよ。性格がそれっぽいって言っただけで、別にお前が犬だとは言ってないよ』

ぐぬぬ…。

――――――……。
―――――…。

「佑太!マスターとの会話は終わったか?」

マスターに美味いことやりこめられたような感じになって言葉が返せなくなっていると、佐々木さんが助け船を出してくれた。しかし僕は…

「はっ?えっ?えーと、あ、マスター…終わりました?」
『私は言いたいことは言ったので満足だぞ』
「えーと、じゃあ、終わりました」

…助け…られたのだろうか?





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