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喫茶くろねこ

第8章 先代マスター、ヒロさん

『…ごちゃごちゃと細かい事にうるさい奴だな。そーゆー奴はモテないぞ』

なっ、別にモテなんか意識してな…

『どうせ、彼女がいたこと無いんだろ』

なっ…失礼な!

『あるのか?』

いや…無いです。て言うか、これからでしょ?だいたい、彼氏とか彼女とかって、そーゆーの作るのは大学生になってからでしょ?

『何を根拠に…。世の中、高校生のカップルなんてそこらじゅうにいるぞ』

根拠は…兄貴かな。兄貴に初めての彼女が出来たの、確か、大学生の時でした。

『………ん~』

…な、なんすか…。

『お前、兄貴の下の名前は?』

…え? 翔太ですけど。

『写真…あるか?』

持ち歩いてないっすよ

『ケータイ画像でも良いぞ』

兄貴の写真なんか撮らないすよ、ブラコンじゃあるまいし、気持ち悪い。てか、なんで兄貴の写真見たがるんですか?なにを企んでるんですか?

「にゃぁ~~ん」

何、突然かわいらしい声で鳴いてるんですか。誤魔化されませんよ。

「ちっ…」

舌打ち?!今、舌打ちした?!

『いや、お前が知らないだけで実は彼女がいたかもしれないから調べてみようかと思って。フルネームと顔写真があればある程度のことが分かるからな』

…疑ってたんすね。あれですよ、兄貴は中高と男子校だったし、塾とかにも行ってなかったから、そもそも周りに女子がいなかったんですよ。

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