喫茶くろねこ
第10章 佐々木邸訪問
僕の失恋記念日(?)から2日後、佐々木さんに唐突に誘われた。
「えっ…店休日??」
くろねこの店休日はマスターの気まぐれで突然決まる不定休だ。
「マスター、今度の店休日ってい…」
『いつでもいいぞ』
いつですか、と聞こうとしたのを遮って被せぎみにマスターが答えた。そして、
「じゃ、来週の木曜にしよう。大学、何時に終わる?」
いつでもいいと言われ、僕が戸惑っているうちに、佐々木さんが独断で日程を決めた。早い。
「あの、僕、佐々木さんの家、どこなのか知らないんですが」
「大丈夫だ、店の前まで迎えに来てやる。で、何時に大学終わる?」
…断れない雰囲気。半ば強引に佐々木邸への訪問が決定した。
『よし。その日は私も行くぞ』
「えっ、マスターも?!」
しかも、マスターも一緒に来るらしい。
『そんなに嫌がるな。お前、猫は好きだろう』
「僕は、人の心を盗み読みしない、普通の猫が好きです」
『わかった。盗み読みは止める』
「マジですか?!」
『だって、イヤなんだろ?』
「でも、止めるとかどうとかじゃなくて、聞くつもりがなくても聞こえてくる感じなんじゃないんですか?」
『いや、そうでもないぞ。完全フリーで思考を垂れ流してるやつのほうが珍しいから、ある程度は意識的に読んだりもする』
「なぬっ!?」そうなの?!
『でも、お前さんの思考はかなり垂れ流し状態だ』
「えぇ~」
「お前さんの場合、たま~に独り言として声に出てたりするからな、テレパシー使えなくても分かるときがあるぞ」
佐々木さんにとどめを刺され、返す言葉がなくなった。
「えっ…店休日??」
くろねこの店休日はマスターの気まぐれで突然決まる不定休だ。
「マスター、今度の店休日ってい…」
『いつでもいいぞ』
いつですか、と聞こうとしたのを遮って被せぎみにマスターが答えた。そして、
「じゃ、来週の木曜にしよう。大学、何時に終わる?」
いつでもいいと言われ、僕が戸惑っているうちに、佐々木さんが独断で日程を決めた。早い。
「あの、僕、佐々木さんの家、どこなのか知らないんですが」
「大丈夫だ、店の前まで迎えに来てやる。で、何時に大学終わる?」
…断れない雰囲気。半ば強引に佐々木邸への訪問が決定した。
『よし。その日は私も行くぞ』
「えっ、マスターも?!」
しかも、マスターも一緒に来るらしい。
『そんなに嫌がるな。お前、猫は好きだろう』
「僕は、人の心を盗み読みしない、普通の猫が好きです」
『わかった。盗み読みは止める』
「マジですか?!」
『だって、イヤなんだろ?』
「でも、止めるとかどうとかじゃなくて、聞くつもりがなくても聞こえてくる感じなんじゃないんですか?」
『いや、そうでもないぞ。完全フリーで思考を垂れ流してるやつのほうが珍しいから、ある程度は意識的に読んだりもする』
「なぬっ!?」そうなの?!
『でも、お前さんの思考はかなり垂れ流し状態だ』
「えぇ~」
「お前さんの場合、たま~に独り言として声に出てたりするからな、テレパシー使えなくても分かるときがあるぞ」
佐々木さんにとどめを刺され、返す言葉がなくなった。