きっと あなたと・・・
第61章 ー涙-柊- ー
トイレから戻る時に会議室の前を通ると、
詩織さんが打ち合わせの準備をしてるのか、資料を手に俯いてた。
・・・・具合でも悪いのかな??
気になって声をかけた瞬間、
顔を上げた詩織さんの目から涙がすっとこぼれた。
初めて見る涙に・・・胸が締めつけられた。
避けるように僕の横を通り過ぎようとした詩織さんの手を掴むと、
会議室を出て、非常口まで手を引いた。
離れないように詩織さんの手をぎゅっと握ったままドアを開けて外に出ると、
晴れた空から射す陽射しに思わず目を瞑った。