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委員長はエッチでした

第6章 天使の笑顔





教室に戻ると
入り口付近で
黒崎の姿が見えた。



「黒崎……っ」



話かけようとして
誰かと一緒に
いることに
気付いた。



しかも女子
一年生だろうか?

背が小さい
髪は長めの
ツインテール

笑顔で黒崎と
話する顔は
目が大きくて
可愛い子だった。


なんだか
ムッとした。



入り口付近だから
無言で
通り過ぎようとして
黒崎が
すぐに気付いて
手を振った。



「彩香さん、遅かったね?
まだ、先生は来てないけど?」



なんか
普通にしゃべる黒崎

なんだか違和感
この子には
打ち解けてるってこと?



そこまで
考えて
はっと気付いた。


あたしったら
今まで
自分は何を
していた?

それなのに
勝手に
焼きもちやくなんて

自分が恥ずかしいよ……



「う、うん、良かった」



黒崎の後ろで
あたしと目が合った
女の子が
ぴょこんと
頭を下げて

じっとあたしの
顔を見て
はっとしたように

デカイ目を
大きく
見開いた



「…げっ、オトコオンナっ?
なんで、こんなところにっ?」



急に後退りして
キッと睨まれた。


オトコオンナ……
あたしの
黒歴史である
ガキ大将時代の
あだ名……


その子の顔を
じっと見て
思い出した
あたしは
ニヤリと笑う。



「チビ芽以(めい)じゃんっ」



思い出した

チビで泣き虫で
芽以って名前で
めえ、めえ泣く〜
とか
からかって

つけたあだ名が
チビ芽以だ。



……保育園の時
女の子みたいに
可愛い黒崎と
チビで可愛い
女の子の芽以ちゃんが
いつも一緒で
セットになってて

あたしはその時は
男みたいな
髪形で

文字通りの
苛めっ子だった。



黒崎の腕に掴まり
キッとあたしを
警戒して
睨む芽以ちゃん



「芽以、藤島 彩香さん、クラスメイトで、
俺の……彼女……」



カァと赤い顔をして
あたしの事を
紹介してくれる黒崎

嬉しくて
キュンとした。



「……えっ、彩香さんって、
……こいつの事だったのっ?」



……んっ?
こいつ?



ちょっと
引っ掛かったけど
彼女として
余裕の微笑みを
向けてあげる。



「芽以、彩香さんはクラスの、
副委員長でもあるんだよ?
ごめんね、彩香さん、芽以はいとこなんだ」



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