
委員長はエッチでした
第6章 天使の笑顔
あっ
いとこなんだ?
なるほどね?
言われて見たら
どことなく
横顔が似てるような?
そう言えば
保育園の時も
一緒に帰る姿を見て
なんかイライラしたの
覚えてる。
「よろしくね、芽以ちゃん」
気を取り直して
にっこりと笑うのに
警戒した眼差しは
崩さないまま
睨まれた。
「芽以はあんたなんか、認めないんだからねっ、
なんでオトコオンナが、亮ちゃんなんかとっ」
オトコオンナ……っ
まだ言うかっ?
「あのねっ、今のあたしはあの頃とは違うのっ、
どっから見ても、綺麗ないい女でしょ?」
ふん
ドヤ顔をして
胸を反らせた。
離れた場所で
会話が聞こえたのか
友達が数人笑っている。
『はいはい、いい女〜』
『完璧優等生〜』
やる気なさそうな
応援の言葉に
ニヤリと笑う。
大きな瞳が
黒崎を守ようにして
あたしを睨む。
親猫が子猫を守るように
毛を逆撫でてるような光景。
なんでか
あたし
悪い女みたいじゃない?
「亮ちゃんを苛めたら、承知しないんだからねっ?」
はあっ?
あのねぇ
確かに苛めてたけど
それは保育園の時代であって……
さすがに
今はそんなこと
するわけないじゃんっ。
「芽以っ、彩香さんに謝れ、彩香さんはとっても
優しくて、苛めるとか、そんなこと……っ」
あたしを庇うため
黒崎がそこまで
言ってくれたのに
なぜだか
言葉が途切れて
カアッと真っ赤になっていく。
おいおいおいおい
何を思い出してんのっ?
ちゃんと最後まで
助けてよ?
黒崎の顔を見て
つられたのか
芽以ちゃんも
顔を真っ赤にした。
「とにかくっ、覚えてなさいよっ!」
捨てゼリフを
残して
チャイムの音と共に
慌てて
一年生の校舎に
戻って行く。
その小さな背中を
黒崎と一緒に見送り
じとっと
その横顔を見た。
「あたし、今は黒崎のこと、苛めてないよね?」
あたしの視線に気付いて
焦ったような
黒崎の表情
「いやっ、今は苛められてはないっ…けどっ」
「……けどぉ?」
「からかってたよね……?俺のこと……っ」
顔を真っ赤にして
上目遣いに
見つめられて
キュンとしてしまった。
