委員長はエッチでした
第6章 天使の笑顔
余計に落ち込んでしまう。
啓介の顔も
まともに見れない。
「分かるよ、友達なんだからな、
お前、男と女で友達なんか、
有り得ると思ってんのか?」
……意味が分かんない。
何が言いたいの?
これ以上
あたしを
落ち込ませないで欲しいのに。
イラッとしながら
啓介を睨んでしまう。
「友達だって思ってなかったの?」
どうしてそんな
冷たい事言うのよ?
目頭が熱くなって
また
新しい涙が零れた。
啓介は目を細めて
あたしの顔をじっと見つめた。
体ごとあたしの方を向いて
優しく笑い
すっと
啓介の手が
あたしの頬に触れて
涙を拭う。
「お前、なんでいつも、声を出さずに泣くんだよ?
そんな奴、俺が放っておけるわけ、ねぇだろ?」
そうだ
啓介はいつも
優しくて
いつも黙って
あたしの話を
聞いてくれた。
「━━好きなんだよ、お前の事、ずっと昔からな、
お前を泣かせる奴から、お前を守りたいとは
思っている」
啓介の言葉に
一瞬耳を疑った。
「そんなの……嘘ばっかりだよ」
じゃあ何で色んな女の子と
遊んだりしてるの?
「言っとくが、俺はお前とどうこうしたい
訳じゃねえからな、特定の彼女もいらねぇし、
黒崎との中も応援してやるよ」
頭の中が
クエスチョンマークだらけだ……。
混乱している
あたしの頭を撫でて
そのまま
引き寄せられて
軽くキスをされた。
「ご馳走さま、これだけでいいや、
……今日のところはな?」
ニヤリと笑い
意味深な言葉に
ますます混乱してしまう。
風が吹いて
雲が流れて
うっすらと
浮かぶ月が
三日月なんだと気付いた。
啓介の明るい髪が
風にゆれて
その瞳に髪がかかり
妙に色気があって
見とれてしまっていた。
昼休みの終了のチャイムが鳴るまで
そうして
過ごしてしまっていた。