委員長はエッチでした
第6章 天使の笑顔
確かに最初は
驚いたけど
あたしは嬉しかった
幸せだったのに。
どうして黒崎は……
あんなに
悔やんでいるの?
責任とか
辛そうに言うの?
そんなんじゃない
そんなふうに
思われたくなかった……!
「なんでそんなに、黒崎にこだわるんだ?」
「こだわる?
好きだからに、決まってるでしょ?」
「そりゃ知ってるけど、お前とは合わないんじゃ
ねえの?
苛められっ子のコミュ障で、真面目で
不器用だし、
この先もお前、苦労するぞ」
「うるさいっ、そんなの分かってる」
黒崎は捨てられた子猫みたいで
人になつかないで
恐がって
びくびくして
傷付くのが恐いから
心を閉ざして……。
だけどやっとあたしには
心を開いてくれて
なついて
大事にしてくれようとして……
あたしを傷つけたんだと思って……
嫌われると思って……?
それが恐くて……?
分かんない
分かんないよ。
「黒崎なんか、やめときゃいいのに」
「うるさいってば、
あんただって、遊んでばかりじゃないで、
ちゃんとした恋愛しなさいよっ」
「それ、お前がそんな事、言うのか?」
啓介の瞳が
一瞬ぎらりと輝いた。
一瞬たじろいだけど
また
反撃とばかりに
口を開く。
「あたしはちゃんとした、恋愛してるもん」
「ちゃんとした恋愛ね?
いちいち泣いたり、笑ったり、
そういうの、疲れねぇ?
男と女なんて、ただセックス出来れば
それでいいだろう?」
呆れて啓介の顔を見た。
いつも友達や
女の子に囲まれて
チャラチャラして
特定の彼女を作らない。
きっと啓介は
恋なんか
したことないんだ。
だから
そういう事
平気で言えるんだ。
「……疲れるんなら、相談に乗って
貰わなくても、いいから、
啓介はあたしの気持ちなんか、
分かんないでしょ?」
今まで面倒とか
煩わしいとか
思っていたんだろうか?
そうだったんなら
なんだか嫌だ。
自分が滑稽だと思ってしまう。