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委員長はエッチでした

第7章 ストーカー





お母さんと
たくさん話をして
あたしは
暫く
ここの下宿人として
過ごした方が
安全だと
言われた。



一人には
なってはいけない。



黒崎に
あたしの送り迎えを
頼んだのは
お母さんだったみたい。



あたしは何も知らずに
みんなに
守られて
お母さんに
会えなくて
寂しがってただけで

自分が恥ずかしくなった。




お母さんは
おばあちゃんに挨拶して
帰って行った。



あたしは
暫く
部屋で
ぼうっと
過ごしていた。




暫くしてから
あたしの
ケータイの
着信が鳴り響いた。



着信履歴には
『黒崎 亮』
珍しいと思って

さっき別れた時の
暗い表情を
思い出した。



嫌な予感がしながら
ケータイを開く。



『彩香さん……、
今日はごめん……、やっぱりちゃんと、
謝ろうと……思って……』



やっぱりそうだ。
また
謝るつもりなの?


あんまり
黒崎が
謝ってばかりだから

謝って欲しくなくて

笑いながら
言ってしまったんだ。



「大丈夫だよ〜、
あんな事、気にする事なんかないからっ、
犬に噛まれたと思って、
場所もあれだったし、ノーカウントって事でっ」



黒崎が気にしてたから
なるべく
明るい口調で
笑って
言ったのに。



息を呑む声。
少し間があって
掠れたような
黒崎の声が
聞こえた。



『……なにそれ?
……なかった事に、したいってこと……!?』



「えっ?
やっ、違うって言うか、また、今度仕切り直す
っていうか……っ」



焦るあたしの
乾いた笑い。



『……あんな事、気にしないって、
……彩香さんは違うかもだけど、
俺にとっては……重要な事で……っ』



「……彩香さんは違うかもって、
どういう意味?」



カチンとして
思わず
言ってしまっていた。



『……やっ、それはあの……っ』



「あんなこと、あたしは慣れてるからって?
そう思っているの?」



『違う……っ、
俺は…あの人とは……っ、
だから、意地でも大事にしなきゃ……
いけなかったんだ……っ』



「何なのそれっ、
意味が分かんないっ」

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