委員長はエッチでした
第7章 ストーカー
土曜日
日曜日と
休日だから
黒崎に会えなくて
黒崎のアパートに
行こうとして
やっぱり
引き返す。
見慣れた
アパートの壁を
睨むように
見つめて
溜め息をついて
引き返そうとする。
ぷっ
くすくすくす
背後で笑い声が聞こえて
振り返る
「こんにちは、彩香ちゃん、
すごい目で、アパート見てたからさ〜」
翔矢さん
だったかな?
空気の読めない
黒崎の隣人の大学生。
ふわふわした
明るめの髪の
人懐こそうな美形。
「……こんにちは、バイト今から?」
コンビニの近くの公園だから
そうかなと思って
聞いてみる。
「うん、まあ、そうなんだけどね?
彩香ちゃんこそ、どうしたの、恐い顔して、
亮くんと、喧嘩でもしたかな〜?」
にこにこ顔の
愛想笑いをして
嬉しそうな顔で
あたしの顔を
覗き込む。
「喧嘩って言うか、すれ違いって言うか、
あたしも悪いんだけど、
黒崎だって、分かってないんだもん」
電話での
会話を思いだして
もやもやする。
翔矢さんは
にこにこ顔で
あたしを
公園のベンチに誘った。
「まだ、時間あるしね。
亮くんに女心を求めるのは、かなり、
無茶だと思うよ?」
「女心なんて、求めてないしっ」
「じゃあ、たくさん話をしなきゃ、
亮くんの性格的に、かなり、時間かかる
かもだけどね?」
「時間……かかるだろうな?」
時間かかっても
たくさん
話をしなきゃ
伝わらないし
黒崎の気持ちだって
分からないもの。
あたしの
ケータイの
着信音が鳴った。
着信履歴は
『お母さん』
翔矢さんが
スッと立ち上がる
「僕もそろそろ行かなきゃね、
亮くんと、別れて貰った方が、
有利なんだけどね?」
笑いながら
冗談ぽい口調で言われて
「別れないものっ」
むきになって叫んだ。
笑いながら
手を振る
後ろ姿
スラリとした
長身を見て
背が高くて
スタイルいいな
改めて
思ってしまった。
着信音は
いつの間にか
聞こえなくなっていて
変わりに
ラインの効果音が聞こえた。