委員長はエッチでした
第7章 ストーカー
『結城が家から出た、公園の方角だから、
早く、黒崎くんの家に行きなさい!』
お母さんからの
緊迫した
ラインの内容に
ギクリとして
慌てて
立ち上がる。
『人気がある道を使って!』
コンビニを目指して
走り
前方から
歩いてる人を見て。
凍りついてしまった。
「……彩香……っ」
結城さんだった。
あたしの姿に気付いて
走って
駆け寄る。
少し痩せたんだろうか?
髪型が違う
お洒落な髪
明るめの色。
ああ
そんな事より
逃げなくちゃ……!
黒崎のアパートを
目指して走って
すぐに
追い付かれて
腕を強い力で
捕まれて
悲鳴をあげた。
「……いやぁっ!離してっ!」
掴まれた
腕が痛くて
それなのに
更に強い力で
引っ張られた。
「彩香……っ
会いたかった、頼むから、俺から逃げないでくれ」
その胸に
強い力で抱きしめられて
掴まれた
両手が
ギリギリと締め付けられた。
「痛いっ、離してよっ!」
結城さんの胸の中で
暴れれば
暴れる程に
腕の力が強まる。
「彩香……、
顔を良く見せて?」
「いやぁっ、黒崎……!」
痛みで涙が滲んで
結城さんの顔が
あたしに近付き
首を振りながら
ギュッと
目を閉じた。
「……おっさん、なにしてんだ、こらぁっ!」
ドスの聞いた低い声が聞こえて
それと同時に
掴まれた
あたしの
両手の拘束が
弾かれた。
びっくりして
目を開けて
あたしの目の前に立ちはだかる
長身が目にはいる。
「……痛っ!」
結城さんの
呻き声。
その手を掴んで
思い切り
捩り上げているのは
翔矢さんだった。
「俺が狙ってる女に、手ぇだすんじゃねぇよっ!」
やっぱりドスの聞いた低い声で
結城さんの腕を
更にきつく締め上げている。
「……くっ!なん…だと!?」
「……オラッ、見てねぇで、ケーサツ呼べよ!」
翔矢さんが
コンビニから
出て来た
店長らしき人物に
顎で指図していた。
結城さんの顔色が変わる。