委員長はエッチでした
第8章 復讐するには
桜木 翔矢side
「あの人達いつまで、やってんの?」
隣の部屋から聞こえてくる
くぐもった声。
ベットの軋む
激しい音
規則的なリズム
時折
聞こえてくる
悲鳴のような
喘ぎ声
あの女の声。
「ここのアパート、壁が薄いのに、
近所迷惑も考えて欲しいなー?」
……イライラする。
あんな声
聞いてしまったら……!
……これは
ただの生理現象で
おしっこをするのと
同じような行為だ。
別に
あの女をおかずに
してる訳じゃない。
ただの
オトコオンナ
キモいし。
あんな声
聞けば
誰だって
こうなる……!
「……クソッ!」
ベットの上で
薄い壁が背中に当たり
寄りかかって
ズボンをずらす。
自分のペニスを
取り出して
激しくしごく。
この壁の向こうで
二人が絡み合っている訳だ。
「あいつら、いっちょまえに、セックス
なんかするんだ、
超ウケる、超キモい!
……うっ!」
冗談じゃない。
この街で
一人暮らしを
はじめたのは
たまたまで
自分のレベルに合った
丁度良い
大学が
たまたま
近くにあっただけで。
このアパートで
偶然
亮くんに会って
すぐに気付いて
意外にも
亮くんも
すぐに気付いたみたいで
少しだけ
嬉しかった。
あの女に
会ったのも
ただの偶然
20歳の誕生日
飲み会で
酔い潰れて
酔っ払った頭でも
すぐに分かった。
『あのっ、大丈夫ですか?
すぐにこれを飲んで?
お水もなるべく、沢山、飲まなきゃ』
心配そうな表情
見ず知らずの俺に
無条件に
手を差し伸べて
背中をさすってくれた。
『……大丈夫……汚いから……
あっちに……っ!』
すでに色々
吐いてしまって
公園の飲み水の
排水が詰まる。
男として
情けなくて
格好悪いから
構わないで
欲しかったのに。
『大丈夫です。
こういうの、慣れてるんで』
詰まった排水の
汚物を
躊躇なく
触って
持っていた
コンビニの袋に
テキパキと
掃除している。
排水の詰まりが
解消して
水が
流れていく。
なんだよ
この子……。
驚いて
はじめて
まともに
その子の顔を見た。