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委員長はエッチでした

第8章 復讐するには





月の綺麗な夜だった。
青白い月明かりに
浮かび上がる
白い横顔
艶やかな
黒髪。



色白なのに
妙に目立つ
赤い唇。



どう見ても
女子高生
メイクしているようにも
見えないのに

高校生らしかぬ
色気を放ち
濡れたような
黒い瞳が
俺に
呼びかける。



……酔っ払って
いるんだろう。



こいつは
あの
オトコオンナじゃ……



すぐに分かったのに
確かに
俺は
その時に
見惚れて
しまったんだ。



あの女が
まだ
この街にいる。



俺に消えない
傷を残した女。



あいつのせいで
俺の両親は離婚した。



これは
復讐。



俺に惚れさせて
骨抜きにして
ボロ雑巾のように
捨ててやる。



最初はそう
思っていた。



だけど
あの女は
亮くんと
まさかの交際中

キモいくらいに
ラブラブだし



これは邪魔するしか
ないでしょう?



あの女を
好きな振りをして
徹底的に邪魔してやる。



失恋したとこを
俺が慰めて
最後には
やり捨ててやる。



……キモいから
キスなんか
出来ないけどね?



「は…うっ…!……彩香……っ!」



ドクンッ!
ビュッ
びゅく
びゅく



絶頂へと昇りつめて
ティッシュの中に
欲望を放ち
溜め息をつく。



クソッ!
あの女をおかずに
いってしまった。



胸くそ悪い。



生理現象だから
しょうがないけど
どうしようもなく
イライラして

いったのに
いまいち
スッキリしなかった。



これも
全部
あの女のせい。



ケータイを取り出して
いつかの
画像をみる。



さて
そろそろ
使わせて貰おうか?



調子に乗ってる
今が
一番の
落としどころ。



「取り敢えず、ベタな感じで、いいかな?」



ごめんね
亮くん
君には悪気はないけど
あの女は
自分が攻撃されるより
自分の回りを
攻撃された方が
昔から
熱くなるからさ。



いつだって
そうだった。



あの女の
特徴だ。



あいつを本気で
怒らすなら
まず
回りから
責めないとね?



楽しみだね?



あいつの
化けの皮
剥がしてやるよ?

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