委員長はエッチでした
第9章 意味なんてない
2年2組の教室
朝ははっきり言って
騒がしい
大声を上げて
暴れて遊ぶ男子もいる。
いつもと
同じように
亮と一緒に
教室に入った瞬間
皆の視線が
一斉に集まった
いつもと同じように
あいさつを
交わしながら
自分の席に
行こうとして
今日はちょっと違った。
あたしと亮の傍に
押し寄せる人達。
『やったな、黒崎!』
『脱、童貞か〜?』
『しかも相手が藤島とか、羨まし過ぎるっ
この殺ろう〜』
クラスメートの男子に
訳も分からずに
どつかれて
ジャレ付かれて
戸惑っている亮。
『藤島さん良かったよね〜
黒崎くんなら、大事にしてくれそうだし、
二人お似合いだし、応援するからね〜』
「…えっと、何なの?
いったい皆、何があったって言うのよ?」
驚いたあたしは
啓介の顔を見た。
苦笑いする啓介
制服のポケットから
おもむろに
一枚の写真を出す。
「……!
これはあの時の?
……翔矢の奴ッ!」
啓介から写真を
奪い取り
すぐに気付いた。
……あの時だ
翔矢の仕業だ
間違いない……!
「掲示板に貼ってあったんだよ?
俺らがお前らを庇って話をしたら、
……こうなった」
「……っ!」
恥ずかしくて
穴があったら入りたい気分だ。
『なぁ、黒崎〜?
ちょっと話を聞かせてくれよ〜?
はじめての時、どうだった?』
『……ってか、お前童貞かよっ?』
『うるさいな、いいだろ黒崎、
どんな感じ?なあ?』
「いや……俺はその…無我夢中で……
余裕なんてなくて……」
真っ赤な顔をして
たどたどしく
口を開く亮。
「ちょっと亮!
変な事、言わないで!」
青ざめて
慌てて亮の傍に行く。
『やだ〜、亮って呼んでるの〜?』
『……ってか、亮くんて言うんだ?』
『知らなかったね?』
女子達の話声。
ああ
ダメだこりゃ
修まりがつかなくなって……
「彩香さんを……気持ち良く……させなきゃて……」
亮の言葉に
女子達の
黄色い悲鳴
どよめく教室。
頭を抱えるあたし。