委員長はエッチでした
第9章 意味なんてない
亮が来てくれた。
どうしていいのか
分からなくて
亮の部屋に
戻りずらかったのに
翔矢と
どうして一緒に?
前を向いて
黙って
ずんずん歩いている亮。
その背中が
なんだか
ピリッとして
見えて
ひょっとして
怒ってるの?
どうして
啓介に
あんなこと
言ったの?
亮の部屋に入って
そのまま
ずんずん中に
進んでいく。
慌てて
靴を脱いで
ずんずん連れて
行かれる先には
ベットが見えた。
そのまま
ベットに
連れて行かれて
ひょいと
抱えられて
ベットの上に
下ろされてしまった。
「……亮っ?」
不安になって
名前を呼んだ。
「彩香さん……っ、
俺、自分が情けなくて……、
啓介くんにも、翔矢くんにも、
自信がなくて……俺なんかよりって、
思ってしまって……っ、
だけど…嫌なんだ、
嫉妬して……おかしくなりそうで……っ」
亮の瞳が潤んで
涙がうっすらと
浮かんでいるのが
分かった。
眼鏡を外して
サイドボードに
置いて
亮の体が
あたしの体に
覆い被さる。
「彩香さんの事、好きすぎて……
こんなの、はじめてで、どうしたら
いいのか、分からなくて、
でも、ずっと……したくて、
ダメだって思っているのに……
欲しくて……堪らない……っ」
亮の瞳から
涙が一粒零れる。
あたしの頬に
ポツンと流れる涙。
あたしの唇に
亮の唇が
そっと
重ねられた。
しょっぱい
涙の味がして
それが
合図のように
深く
唇が重なる。
嬉しかった
こんなに
純粋に
求められて
あたしを必要としてくれる。
最初は違ってた
あたしの方が
亮を好きなんだと
思って
亮は常に受身で
拒めなくて
流されて
いるだけなんだと
思っていた。
だけど
今ははっきりと
亮の意思で
あたしを
求めてくれる。
それが……。
嬉しい。
知らなかった
嬉しくて
胸が熱くて
良く分からない
鳥肌がたって
胸がいっぱいで
嬉しくても
涙が流れるなんて……。
知らなかったの。
普通の恋なんて
出来ない
どこかで
諦めていた。
あの人に
縛られて
男の人は
皆が
一緒だと思っていた。