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委員長はエッチでした

第12章 真夜中のおしおき





桜木 翔矢side



アパートの下にある
ごみ捨て場に
ゴミを捨てに行っていた。



昨日もバーに
バイトに行っていたから
睡眠不足で
眠たい。



「ふぁ〜あ……」



大きな欠伸をして
思いきり伸びをする。



欠伸の涙が溜まった視界に
ふと
公園が眼に映り

こんな爽やかな
晴れた
朝の風景に
そぐわない人影に気付いた。



明るい色の髪はお洒落で
ただの黒いスーツを
身に纏っているだけなのに

夜の仕事の人だと
雰囲気で
すぐに分かってしまう。



見た目は派手な
美形なのに
鋭い眼差しの
彼の姿には

陰があり
大きな闇を
抱えてるように見える。



━━結城さん。



彩香のストーカー
そう認識している。



子供の頃
彩香を苛めて
よく喧嘩をして

揉めてたら
必ずこの人が現れた。



やんわり
優しく仲裁に入るけど
俺を見る視線は
酷く
冷たかったのを覚えてる。



一度俺のせいで
彩香が怪我をして
軽い捻挫をした彩香を
結城さんが迎えに来た。



いつもタイミング良く
現れる結城さん
俺は彼に
得体の知れない何かを
子供心に
感じ取っていたから

苦手だった。



その結城さんが
はじめて
俺に向かって
口を開いた。



『あんまりこの子にちょっかい
ばかりかけるようなら……殺すよ?
お前もこの子が可愛いくて、
しょうがないんだろうけど……
度が過ぎるようなら、
俺がお前に痛い思い、
させなきゃいけなくなるからね?』



目線を合わせて
膝まずいて
顔を近付けられた。



その目が恐くて
ゾクリと
背中が泡立った。



言ってることは
幼かった俺には
あんまり意味が
分からなかったけど


━━ヤバイ。



動物的な直感を
感じて
足が震えた。



その時の
彼の瞳が恐くて
覚えていた。



鋭いナイフのような瞳。

冷たくて
暗くて

恐くて。



この人に
近付いてはいけない。



それなのに。
彩香を見つめる瞳は
あまりにも
優しくて。



そのギャップが
恐かった。



彼の言う事は
本当かもしれない。



そう思った矢先に
今度は自分が
怪我をして

両親が離婚して



引っ越す事になった。

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