委員長はエッチでした
第13章 泣かせたかった
黒崎 亮side
翔矢さんに呼び出されて
結城さんが
ここに来てるから
気を付けるように言われて
翔矢さんは
捕まえる気満々だったけど
俺は彩香さんが
心配になって
すぐに部屋に戻った。
……ガランとした
誰もいない部屋で
途方にくれていた。
それからすぐに
翔矢さんから
メールが入って
彩香さんが飛び降りて
翔矢さんの部屋で
手当てしてると知って
すぐに翔矢さんの
教えられた
部屋に向かおうとした。
翔矢さんは昔から強くて
行動力があるから
本当に結城さんを
捕まえるのかもしれない。
そう思ったけど
複雑な気分になる。
俺はまた出遅れたのかな?
いつも一人では
対処出来なくて
啓介くんや翔矢さんの
協力がなければ
何も出来ない
ただのガキだ。
彩香さんを守りたいのに
守れないかもしれない
そんな恐怖ばかりが
頭を支配している。
ナイフを持ってた結城さん
そんな人に
俺は立ち向かう事が
出来るのだろうか?
ぐるくると考えながら
部屋を出た
その瞬間に
背後から誰かに
引き寄せられた。
ガッチリとした
男の身長で
羽かい締めされて
口を開こうとして
タオルを被せられた。
「……!……!?」
口許にタオルを噛ませられて
引き摺るように
隣の部屋に連れて行かれ
視線を上げると
結城さんの
綺麗な顔が
勝ち誇ったように
視界に入った。
「……俺はね、君の事が気に食わないんだよ?君さえいなければと、ずっと思っている。だから……暫く大人しくして欲しいんだよ」
どこから持って来たのか
ロープで俺の体が
ぐるぐる巻きにされて
腕も足もぎっちり縛られた。
「ん~~~~!」
情ないけど、全く歯が立たなくて
部屋のキーを
奪われて
ロープで縛られた体を
担がれて
何故だか俺達の
部屋に戻って行く。
畳のまん中で
乱暴に転がされて
畳に頭を打ち付けた。
「……さあ、これで後は、彩香を待つだけだ、君はただそこで、大人しく見てるといいよ」
……この人は
本当にイカれている。
ゾクリとした悪寒に
震えてしまった。
……彩香さん、
ここに戻って来ては
いけない……!