委員長はエッチでした
第13章 泣かせたかった
桜木 翔矢side
理性に抗えなくて
なし崩しで
彩香を抱いてしまった。
お互いに絶頂を迎えて
もちろん避妊もした。
ティッシュで始末して
彩香にも拭いてあげて
畳の上でだらりと
寝転ぶ彩香を見て
急に感じた
罪悪感。
抱いてみて
自分の気持ちに
強く気付いた。
こんなに気持ちをぶつけた
セックスは
はじめてだった。
こんなに沢山
キスをしたのも
あそこを舐めたのも……
もっともっと
気持ち良く
させたいと思ったのも……。
中に入って
幸せな気分になったのも
はじめてだった。
……こいつは亮の女だ。
二人とも思い合っている。
付け入る隙は
体だけだと
思ったけど……
泣かせたい訳じゃ
なくなっていた。
昔は泣かせたいと
思ってたけど
生意気だったからなだけで
……こんな涙を
見たかった訳じゃない。
何も言わずに
声もなく肩を震わせる彩香。
イった後の感覚が
抜けきらないのか
気だるい色気を
無意識に振り撒いて
綺麗な涙が
はらはらと零れ落ちる。
……その姿が
この上もなく綺麗で
胸が痛んだ。
……守りたい
どんな事からも
俺がこいつを守ってあげたい。
そう思うのに
そんな事は言えなくて
彩香が罪悪感を
感じないように
軽い口調で言ってしまった。
「……俺達、体の相性もいいみたいだし、セフレでいいから、
こうなったのも、はずみみたいなもんだし、今までどうり、亮には内緒で……」
俺の言葉は
妙に軽く聞こえて
自分で言って
嫌になる。
「なによそれ、最低じゃんっ、……最低なのはあたしか……」
涙混じりの彩香の声。
自己嫌悪の
暗い表情……。
本当はセフレなんて
嫌なのに
こんな事しか
言えない。
俺を最低な奴に
してしまえばいい。
俺を憎んで
そんな感情でしか
俺を思って貰えないなら。
「お前はただ、ノーパンノーブラだっただけだろ?俺が勝手に生理現象で襲った訳だし?」
「……襲った?……そんな事ない、あたしが……!」
彩香が何かを言おうとして
言葉を飲み込む。
……彩香が、なんなんだよ?
その言葉に
期待してしまう。