委員長はエッチでした
第13章 泣かせたかった
「それじゃあ、彩香は連れて帰るからね」
亮に向かって
そんな事を言う。
もがいて苦しむ亮を見て
高笑いしている。
あたしは亮の姿が
まともに見れなくて
黙って泣く事しか
出来ない。
部屋を出て
足早に何処かに向かう結城さん
旅館のフロントで
会計を済ませて
旅館の前に高級車が
止まっていて
そこに乗せられた。
「……どこに行くの?」
「せっかくだから、観光でもしようじゃないか?この先に家が経営するホテルがあるから、一晩中愛し合おう」
高級車は外車で
運転席にいる人は
結城さんの家の人なんだろうか?
結城さんの両親は
ホストクラブ、キャバクラの経営者
ホテル経営もしてると
聞いた事がある。
いかがわしい店も
経営してると知っているから
不安しかない。
だけどもう、逃げられない
逃げても家にも来たし
この時のあたしには
黙ってついて行く事しか
道がないように思えたんだ。