委員長はエッチでした
第3章 家族とは
お母さんと結城さんを
会社にお見送りして
片付けを済ませて
学校の仕度をする。
高校生の制服を着た
鏡の中のあたし。
首筋に
キスマークがあるのに
気付いて
慌てて
絆創膏を貼る。
汚い痕は
消える事はない。
体中の至るところに
結城さんの
キスマークがある。
消えたら
また
付けられて
こんな汚い体
誰にも見せられない。
黒崎はどう思っただろうか?
あの時は
体に痕はなかった筈だけど
ひょっとしたらと
思ってしまう。
『彩香さん……
凄く……綺麗だ……』
『……ごめんね、痛くは……ない?』
『指でするのと……舐めるの……どっちがいい?』
『気持ちいい?……言ってくれなきゃ……分からない……』
思い出してしまった。
一人で赤面して、学校へと続く道を急いだ。
いつもの公園の前で
黒崎とばったり
会ってしまった。
「……あっ、黒崎だ〜!」
ビックリした。
ちょうど
黒崎の事を
考えていたから。
焦ってしまった。
「……っ、彩香さん……」
それは黒崎も
同じだったみたいで
驚いて立ち止まっている。
赤い顔をして
何故だか
固まってる黒崎を見て
ムラムラしてしまう。
回りを見て
人気がないのを確かめて
ちゅっ
軽く唇にキスをした。
「……っ!」
唇を腕で押さえて
後退りしているけど
逃がさないし。
ジリジリと近付いて
「……あ、首筋……どうしたの?」
あたしの首筋に視線を落として
黒崎が呟いた。
ギクリとしながら
首筋に手をやって
「虫に噛まれたんだ〜」
笑って誤魔化す。
「…………」
じっと見つめられて
何故だか
視線をさ迷わせた。
何でだろう
浮気したのがばれた
夫のような
気分。
「……絆創膏貼ると……かえってエロい……」
ボソリと呟いた黒崎の声が
掠れたように聞こえた。
「えっ、エロい?」
首を傾げる。
「……首筋に……ホクロ……」