委員長はエッチでした
第1章 委員長
あたしは完璧主義で
成績優秀
友達も適当にいるし
副委員長の仕事をちゃんとこなしている。
先生からのうけもいい
放課後とか
何気ない雑用を頼まれる事も良くある。
この日もそうだった。
「おい、藤島〜、このプリントちょっと纏めといてくれるか〜?」
「は〜い」
返事をして
先生からの説明を受ける。
一緒にいた友達は
「じゃあ、またね〜彩香、ガンバ〜」
あっさりと帰って行く。
「黒崎と一緒にやれよ〜、そんなに沢山じゃないから、安心しろ」
笑いながら大量のプリントを渡されて
黒崎がスッと手を伸ばして
重そうなプリントを受けとる。
へぇ、紳士っぽいところもあるじゃん。
感心しているあたしの前で
プリントを置いて
机を並べて
テキパキと
作業を開始している。
相変わらず
何もしゃべらない。
だけど
ちらりとあたしを見て
すぐに視線を反らして
俯いているけど
それだけで
顔が少し赤くなっている。
じゃあ、あたしもやりますか。
やりだしたら
完璧主義のあたしは
夢中になって
黙々と作業を進める。
静かな教室
少し開いた窓から
爽やかな風がはいる。
パチン
パチン
プリントを纏めて
ホッチキスの
心地いい音が響いている。
黒崎は無口だけど
この静けさは
嫌いじゃない
なんだか
落ちつく。
ふと手を伸ばして
あたしの手が
黒崎の手に触れた。
パッと引かれる手。
暖かい感触は一瞬で
それだけの事なのに
カァッと赤くなる
黒崎の顔。
俯いて
唇をきゅっと閉じて
その表情がすごく
可愛いくて
だけど変な
色気があって
そそられる……。
「ごめん……っ、藤島さん……っ」
「やっ、別に謝らなくても」
大袈裟だよ……。
心なしか
黒崎がびくびくしながら
あたしをチラチラ見ているような
気がして
少し
イラッとした。
作業はほとんど終わっていた。
「ねぇ、なんでそんなにびくびくしてんの?
あたしの事が恐いの?」
思い切って
直球に聞いてみる。
「恐いとかじゃなくて、俺は女の子が苦手っていうか……」