委員長はエッチでした
第3章 家族とは
彩香がふと
立ち上がり
歩き出す。
なんとなく
その後ろを
距離を保って
付いて行く。
中学生の女の子が
一人で夜道を歩くのは
危ないから
細くて小さな後ろ姿
俺はそれを守るようにして
一緒に歩いて
これじゃあ
父さんと一緒じゃねぇか?
ふと思う。
黙って後をついて歩いただけ。
だけど
どうしてだか
同じものを共有しているような
暖かい気分になって
その時間だけは
寂しくなかった。
二年になって
クラスメイトになって
適当に話も合って
再び泣いている彩香に
公園で会ったのは
俺にとっては
二度目の事。
……俺が彩香を守る。
そう思うのは
俺の境遇からすれば
当然の事だと思えた。