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委員長はエッチでした

第5章 真面目なだけじゃない





黒崎は変わらない
あんな
場面を見ても
変わらずに
あたしを
好きでいてくれる?

じゃあ
啓介はどうして?



あたしを見る目が
以前とは
違って見えた。



今回だって
色々心配してくれて
迷惑かけて
家まで世話してくれたのに。



いつものような
メールのやり取りもなく
急にあんな態度。



あたしの思い過ごし?




「啓介くんのこと、気にしているの?」




黒崎も
啓介のさっきの態度が
気になったのか
言い当てられてしまう。



「啓介くんは大丈夫だよ、彩香さんを
悲しませることは……きっとないから……」




いつの間に
啓介と仲良くなったんだろう。

何か知ってるような
口振りだった。



「それよりも、あれは……」




「黒崎、何か知ってるの?」




いつも一人で
教室の端で
本を読んで
誰も寄せつけなかったのに

いつの間にか
啓介と話をしている

そんな姿を
見るようになった

啓介を通じて
他のクラスメイトとも

啓介は昔から
気さくで
明るくて
自然と人が集まる。

そんな啓介に
今まで
助けられたのに。




「……他の人の事を考えるなんて……、
なんだか……」



ボソリと呟いた
黒崎の眼鏡の奥の瞳が
きらりと光って見えた。



「……えっ?」



ぼうっとして
考えていたから

急に黒崎の唇が
降ってきて
いつもより
強引に唇を奪われて
びっくりしてしまう。



「んんっ……!」



あたしの唇に
覆い被さる
黒崎の唇

食べられるように
舌で
こじ開けられて
舌が絡まる。



「はぁっ……んんっ……!」



いきなり
激しく唇を奪われて
戸惑い
声を洩らして
その背中に
溜まらずに
しがみついた。



チャイムの音がして
あたしから
そっと離れる黒崎の瞳が

艶やかに輝いて
ぞくりとした。



「俺の事だけ……考えて欲しい……
ごめん……っ」



はっとしたように
慌てて
慌ただしく
あたしから
逃げて行く。



あたしは暫く
呆然として

動けなかった。



唇が
絡められた舌が
ジンジンして

熱い……

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