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委員長はエッチでした

第5章 真面目なだけじゃない





いつかのように
屋上に行き
二人で並んで
ベンチに座る。



黒崎の膝の上で
ゴロンと寝転ぶ。



「彩香さん……っ、
あんなこと、言って、良かった……?」



心配そうな顔をして
あたしの顔を見下ろす。

至近距離で
ドキドキする。



「どうして?
いいに決まってるよ、だって、あたし、
黒崎の彼女でしょ?」



「彼女……そうなんだ……?」



実感湧かないのか
キョトンとした
顔をしている。



「え〜、そうだよ?違うの?
それにやましいこと、ないなんて、
あんなに色々、凄いこと、したくせに?」



あたしの言葉に
黒崎の顔が
カアッと赤くなる。



「そんなっ、あれはっ……だって、
彩香さん、覚えてないんじゃあ……っ?」



「……覚えているよ?
っていうか、思い出したっていうか?」



「そ…うなんだ……っ」



ますます赤くなる
黒崎の顔
俯きたいのに
すぐ真下に
あたしの顔があると
気付いたのか
ぎゅっと目を閉じている。




彼女……か……。

嬉しいけど
あたしは
さっき
教室であった
啓介の態度が
気になっていた。



だから
思い切って
黒崎にも
聞いてみる。




「ねぇ、
黒崎は本当に、あたしでいいの?
……見たんだよね?
あの時、あんなことが、中学生の時から、
ずっと繰り返されてきて……」



言い出したら
止まらなくなる。

黒崎の顔が
まともに
見れなくて

咳をきったように
口から
嫌な言葉が
こぼれていく。




「最初は無理やり、犯されて、抵抗しても、
叶わなくて、段々、諦めるようになって、
あんなことがずっと……
あたしの体は……汚いん……っ!」



「彩香さんは!」



あたしの言葉を
遮るように
黒崎が
珍しく
声を張り上げた。



少し掠れた
あたしの好きな
いい声で



「彩香さんは綺麗だよ……、
始めて会った時から、
彩香さんの体も……
凄く……綺麗だ」

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