委員長はエッチでした
第1章 委員長
「……月が綺麗……」
缶ビールを片手に
うっとりと
空を眺めて
ビールを飲む。
近所の公園。
それなりに広くて
屋根がついた
広い
ベンチがある。
寒さも凌げるから
絶好のサボり場所
何をサボるかと言うと
賢い娘を
サボる
これに尽きる。
円満な家庭の娘を
演じる。
冗談じゃない
全部お母さんの為だよ
女手ひとつで
苦労して
あたしを育ててくれた。
結城さんは
近所のお兄ちゃんで
幼馴染みのような
存在だった。
子供の時から
何かと
あたしを
気にかけてくれて
時には助けてくれて
優しい
お兄ちゃんだったのに。
結婚したのは
3年前。
とんとん拍子で結婚して
一緒に暮らし始めて
楽しい生活だったのに。
……体の関係になったのは
あたしが中学生の出来事。
お母さんは出張だった。
二人っきりで過ごして
夜
部屋で寝ていたら
結城さんが
訪れて
無理やり
犯された。
あたしはもちろん
はじめてだったのに……。
容赦なく
何度も
何度も
それが
始まりだった。
公園のベンチに座って
月を眺めて
ビールを飲む。
至福の時間。
一人の時間。
毎日のあたしの日課だった。
月を眺めて
ふと
唇に手をやる。
そっと触れた感触。
汚れのない
無垢な存在。
それなのに
俯いて
おどおどして
勿体ないって
そう思って
イライラした。
……汚してやりたい。
そんな思いで
キスをしてしまった。
悪い事しちゃったのかな?